アンティーク眼鏡の収集家としても知られるデザイナー、ゲルノットリンドナー氏により1991年ドイツで産声を挙げたルノア。
このブランドのアイウェアには、同氏の3,000本にも及ぶコレクションの中から、中世の眼鏡デザインの最も美しいエッセンスがとじ込められています。クラシカルな優美さ、普遍的なデザイン、堅牢で高品質なフォルム…16~20世紀にかけて作られたアンティーク眼鏡を尊重しながら、かつて同氏が在籍したアメリカの光学メーカーで学んだ生産ノウハウを駆使して生み出される珠玉のコレクション。
手作業も含む200前後の作業工程のなかで妥協なく設計製造されるフレームは、ドイツの民芸品にも値する商品価値があると言われ、プレミアムブランドとしての確固たる地位を築いています。
また、米国大手ライフスタイル誌『ロブレポート』では“ベスト・オブ・アイウェア”に選出されるなど、その人気はドイツだけでなくいま世界に広がりつつあります。
ゲルノット・リンドナー氏は、1941年オーストリアのインスブルック生まれ。
14歳のときに母から贈られた一本の眼鏡がきっかけで興味を持つようになったそうです。
古い眼鏡、眼鏡ケース、望遠鏡、看板、検眼機器等の収集を始め、現在ではそのコレクション数は3,000点に及びます。
オーストリアの眼鏡技術大学で学び、眼鏡店勤務、国家資格の試験管、AO(アメリカン・オプチカル)での教育担当・エンジニアなどの経験を経て、1985年に眼鏡コレクターに対するコンサルティングや眼鏡博物館への支援をする会社を発足。そして、1990年に最初のルノア・コレクション(金無垢モデル)を発表、1992年にコレクションを正式に販売開始。
現在は、ウルリッヒ・フックスとその息子ミカエル・フックスにルノアを譲り、2017年76歳にして自身の名前を冠した「GERNOT LINDNER」を立ち上げ、スターリングシルバー製の新コレクションを発表しています。
ブランド名であるLunor(ルノア)の由来ですが、最初のコレクションは金で作られていたため、フランス語で眼鏡を意味する「lunette」と、金を意味する「or」を繋ぎ合わせた造語です。そして、そのルノア製品の特徴は、なんといってもアンティーク調であるところです。
16~20世紀に存在していたアンティーク眼鏡のデザインを尊重しながら、現代的な掛け心地を追求した結果、過去のアイデアと現代の機能を併せ持った眼鏡であるルノアの美しいコレクションが誕生しました。
当初は、かつて栄華を極めたドイツのクラフツマンシップを追求するため、国外への生産移管などを行わず、ドイツ国内での一環生産を貫いていました。
ただし、チタニウム製品は加工技術の優位性から日本で生産を行っています。
その確かな技術力によって細やかな仕上げを実現し、高級感を醸し出しています。
ルノアの代表的なモデルの特徴としては、可動式のサドルブリッジが特長のSwing Aや、テンプルがスライドするLunor Ⅰ のその独特のスタイル。そのほかにも、19世紀後半に普及していたスタイルを踏襲したブリッジ部分のクロスが特徴的なX-bridge。60年代ドイツに存在したメガネのフォルムを踏襲し、8㎜生地を丁寧に削り込んで作られたプラスチックの新定番A4。また手のひらに収まるサイズのコンパクトな折り畳み式フレームLunor Foldingなど、広く深いそのコレクションの内容は発売以来、世界中の多くの人々を唸らせ、魅了し続けています。
ルノア・コレクションを作る際には常に200前後の手作業の作業工程が入ります。一切の妥協なく作られているルノアのフレームは、一般的な流行に左右されず、ながく愛用していける堅牢な作り込みと厳選された素材で作られた美しいコレクションです。