ギンギラギンにさりげなくない(ニュース＆ブログ）｜吉祥寺(三鷹、荻窪)のメガネ(眼鏡,めがね)セレクトショップ GLASSTORY IKARA(グラストリーイカラ)

ギンギラギンにさりげなくない

眼鏡を愛してかれこれ20年、長瀬です。

「全員メガネ」という名のダンスチーム。
ソコに入ったことがきっかけでメガネをかけるように。
そんな視力2.0キープだった19歳が。

いまや認定眼鏡士になり、41歳です。
これを愛と言わずして何と言おうか。

自分語りから始まりました。
降雪予報のなか、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今日はお客様紹介のブログなんですが。
うちの店では買えないフレームです。
長瀬はそういう内容の前科が沢山ありますので。
いまさら気にしない強い気持ちです。

時系列が前後しますが、メガネ完成した後。
お客さまに完成の旨をメールをすることに。

●●●●　以下転載　●●●●

先日は当店のご利用誠にありがとうございました。
吉祥寺　グラストリーイカラの長瀬です。

お待たせいたしました。
ご注文の眼鏡が完成しましたので、ご連絡致しました。
作製が思ったよりも楽しくて、何より優先して作っていたらもう完成してしまいました(笑)

今回のこの眼鏡のことをＴ様と併せてブログに掲載してもよろしいでしょうか？
ネット上の顔出しが事務所NG、などありましたら無理は言いません。
ですが！このメガネは歴史に刻むべきだと思います！
お嫌でなければご協力いただけると助かります。

ご来店、お待ちしております。

●●●●　転載終了　●●●●

お分かりになりますでしょうか。
長瀬の熱量。

このメガネは歴史に刻むべきだと思います！
、なんて初めて使いました。

今回のＴさまはウチのブログをお読みになり。
ココの店ならやってくれるかも･･･！と。

ヴィンテージ、旧き良きデザインと技術 https://www.g-ikara.jp/blog/index.html?id=1234

ココでも長瀬は楽しい楽しい言いまくってますね。

今回、Ｔさまがお持ちになったフレームもフチなし。
確かに定義としてツーポイント。
･･･ではあるんですが何より個性的。

実物をご覧いただくと、こんな感じ。

ね、個性的です。

いろんなメガネ屋さんに持っていくも断られ続け。
グラストリーイカラに。
かつ販売購入元の「金子眼鏡」さんですら。
度入りは勘弁してください、との事。

そう、デザイナーのイッセイミヤケさんと。
金子眼鏡のコラボサングラスです。

分解してみても････
度入りで作ることは考えてないなぁ。
という感想です。

Ｔさまの度数を確認し。

「条件揃えればイケますよ」
「やらせてください」

この時の長瀬はとてもドヤ顔だったと思います。

じゃあなんで数あるメガネ屋さんは。
こんなに楽しそうな案件を断るのでしょうか。

ざっくり言ってしまうと。
①加工が面倒、時間がかかる。
②適合できそうなレンズの扱いがない。
③壊したときに弁償出来ない。
でしょうか。

③は確かに当店でもリスクはありますが。
①②は余裕です。

今回はマニアックに加工の流れも少しお話します。

メガネフレームを後ろからのぞくと。

レンズの上部をネジで二点止めしてあります。

上から見た作業工程はこんな感じ。

①元の度なしレンズはフレーム内側にあるネジ受けに
　(下駄の歯みたいな部分のこと)
　ネジを回しこんで、②みたいになります。

度入りレンズにすると、レンズが分厚くなりますから。
③のようになります。
ネジの長さを変えればここは簡単にクリア。

さらっと流しましたが、実は①の時点でもリスキー。

通常のフチなしメガネであればネジ一本が通るギリギリの穴を開けますが。
このネジ受けが入るくらいの大きい穴をあけないといけない。
大きい穴をあけるということは当然レンズ割れのリスクが伴います。
かつ、ネジで絞めこんで力を加えるので余計にリスキー。

さらに③の時点で別の問題が発生します。

ネジ受けは確実にネジより大きいですから、ネジの頭からネジ受けに到達するまでに少しだけ隙間が発生します。
レンズが分厚くなるとその隙間が大きくなりますからレンズが外れやすさ、割れやすさが出てきてしまいます。
なのでこの隙間を埋める工程や部品も必要です。(実はそういうのもちゃんとあります)

さて今回見た目も極力変えたくないので。
ゼロカーブのフラットレンズを採用。

こんな感じ。
エヴァンゲリオンの碇ゲンドウみたいですね。
ただし特殊なレンズには欠点もあります。

レンズを思いっきり大きく作って、真ん中だけ削り取れば、レンズは極限まで平らに近づきます、が分厚くなります。
なのでイッセイミヤケのサングラスにフラットレンズを入れるには強度数では不可能に近いです。

Ｔさまはそこまで近視も強くなかったので、たまたま作れました。
ここは本当に運がよかった。

さて、これだけ沢山のハードルを乗り越えてできたメガネがこれです。

GLASSTORYIKARA Twitter https://twitter.com/GLASSTORYIKARA/status/1485916967647444996

どうよ、この存在感。
キラキラ感は下のリンクからツイッターの動画をご覧ください。

長瀬、一緒に映ると台無しな気がしたのでソロ写真のみです。

マスクにもパーマにも負けない。
ここにいるぜ！感マシマシのメガネに仕上がりました。

歴史に残るメガネです。

後日談ですがＴさまの職場のメガネ詳しい方がめちゃくちゃ食いついてきたそうです。
質問攻めにあったそうで、後日お店に連れてきてくれるとの事でした(笑)

Ｔさま、楽しい時間をありがとうございました！
めっちゃ楽しんで使ってください！

ということで今回ちょっとマニアックな話もありましたが。
こんな感じでよっぽどでない限り「No」は言いたくないんです。
どこに持って行ってもダメと言われたメガネ。

一回見せに持ってきてください。
チャンスはあります！

長瀬でした！